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ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン

当社のダイバーシティ経営が目指す姿

当社グループは、性別や国籍、年齢といった表面的な属性のみならず、経験や持ち味、スキル、価値観といった個々人の内面的な特性までをダイバーシティと捉えています。

当社グループは2021年4月にダイバーシティ&インクルージョン経営基本方針を策定し、その後2023年8月に「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン基本方針」として改訂しました。本基本方針は、当社グループの人財政策に関する基本的な考え方を示す「Human Capital ビジョン」の基本原則の一つである”多様性"について、方針を明確化したものです。この方針を当社人事戦略の中核に据え、当社グループに集う世界中の社員一人ひとりの多様な個性と能力を組み合わせ、新たな価値を生み出すことができる枠組み作りをより一層進めていきます。

商船三井グループは、世界中の人財一人ひとりが持つ多様な個性と能力を組み合わせることで、新たな価値を生みだし、持続的な企業価値の向上に繋げていきます。その中で、当社グループはダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを新たな成長の原動力と位置付け、次の取り組みを行います。

  • 多様な人財が集い、成長し、一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮する機会を提供します。
  • 多様な個性と価値観を尊重し、自由闊達に個の力を発揮できる組織風土を醸成します。
  • 多様性ある集団を活かす制度と就業環境を柔軟に整備します。

2021年4月制定
2023年8月改訂


グローバル人財の活躍

多様な人財

グローバルに事業を展開している当社グループでは、多国籍な社員が活躍しています。グループ総合力を高め、多国籍で多様な人財が一層活躍できるための環境整備を進めています。


  • グループ従業員数 地域別比率(連結)

  • 当社運航船船員数 地域別比率(連結)

本社の食堂では、異なる民族、文化、宗教を持つ従業員に配慮し、使用している魚肉類(調味料のエキスも含む)の内容をマークで表示し、ベジタリアンメニューも用意しています。今後も​ダイバーシティに富んだ従業員同士の交流の場として、また誰もが働きやすい職場を目指して取り組みを深めていきます。

南アフリカ共和国の政策B-BBEEにおける格付けレベル1を取得

当社の南アフリカの子会社MOL Auto Carrier Express South Africa (Pty) Ltdは、B-BBEE(Broad-Based Black Economic Empowerment)において格付レベル1を取得しています。これは、南アフリカでの経済変革、包摂性、社会進歩の推進に向けた重要なマイルストーンであり、同社が2年連続でレベル1を取得していることは、大変重要な成果です。同社は、同政策に沿った経営方針の下、従業員にスキルトレーニング、メンターシップ、教育機会を提供するプログラムに投資しており、このプログラムには、インターンシップや専門能力開発コースが含まれます。同社では労働力の多様性と包摂性を促進する公正で透明な採用を実施しており、全ての従業員へのキャリア成長の機会均等を確保しています。また、恵まれない地域社会における貧困緩和や雇用創出、技能開発に取り組むイニシアチブを支援するための寄付を行っています。その他、ブラック・オウンド・ビジネスからの物品やサービスの調達/調達を奨励するよう努めています。今後も、南アフリカの経済成長と雇用創出に貢献していきます。

B-BBEE証明書(英文)[869KB]


女性の更なる活躍

当社は経団連が掲げる「2030年30%へのチャレンジ」への賛同を表明しています

ダイバーシティ&インクルージョンの推進において、女性社員の更なる活躍は必要不可欠です。育児支援等の各ライフステージに応じた制度の充実、キャリア形成の為の支援拡充や管理職の行動・意識改革に向けた研修、当社グループの女性社員を対象としたキャリア形成・ネットワークづくりの為の対話会の実施など、各種取り組みを積極的に進めています。この一連の取り組みが評価され、「女性活躍推進」に優れた企業として、当社は「なでしこ銘柄」に選定されました。(2023年度で3年連続の選定)また、2021年3月に女性活躍推進法に基づく行動計画を刷新し、キャリアパスの複線化による多様なキャリア選択や、タレントマネジメントの強化による個々人の能力に応じた配置の実施や成長機会の提供など、各種取り組みを積極的に進めています。

さらに、2022年9月には「女性のエンパワーメント原則(Women’s Empowerment Principles、以下WEPs)」(*註1)の趣旨に賛同し、同原則に基づき行動するためのステートメントに、当社社長が署名を行いました。また、同月には内閣府が主導する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(*註2)に当社社長が参加し、ダイバーシティ&インクルージョンを新たな成長の原動力と位置付ける中で、更なるジェンダー平等と女性活躍推進への取り組みを加速してまいります。

Women's Empowerment Principles

(*註1) 「女性のエンパワーメント原則(Women's Empowerment Principles、以下WEPs)」
国連グローバル・コンパクト(GC)と国連婦人開発基金(UNIFEM、現UN Women)が共同で作成した、女性活躍促進の為の7つの原則を纏めたもの。賛同する企業はこの原則を活用し、女性活躍の促進に取り組むことが求められます。全世界で7,000を超える企業が賛同しています。
https://www.weps.org/

「行動宣言」輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会

(*註2)「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」
内閣府が主導で策定した、ジェンダー平等と女性活躍を進めていくための「行動宣言」に沿って取組を進めるとともに、参加者同士によるネットワ―キングを構築し取組や課題を共有し合うことで、企業等の取組を加速するための企業経営者等の集まりです。現在、企業経営者等や知事・市町村長の約280名が参加しています。
https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/index.html

女性活躍推進の目的

当社グループでは、優秀な人財の確保及び事業推進やガバナンス、リスク管理における多様な視点の確保という観点から、女性社員の更なる活躍が重要であると考えています。 毎年開催の人財育成コミッティ(経営会議メンバーが参加)にて、女性活躍推進の進捗状況について、確認、議論しております。

「女性活躍推進法」に基づく行動計画

「女性活躍推進法」に基づく行動計画(2021年4月始期)に則って、グループにおける女性活躍を推進していきます。

女性活躍推進法に基づく目標と行動計画[336KB]

女性管理職比率

当社は、女性活躍推進法に基づく行動計画において、以下の通り女性管理職比率の目標を掲げています。

2025年度末までに

  • 陸上・海上社員を合わせた管理職全体に占める女性社員比率を7%以上にする。
  • 陸上管理職に占める女性比率を10%以上とする。
  • 陸上管理職(チームリーダー相当職)に占める女性比率を20%以上とする。

※2023年4月に策定した、HC Vision/Action1.0においては、新たに2025年度末までの達成目標として、陸上管理職に占める女性比率を15%とすることを定めている。
https://www.mol.co.jp/sustainability/management/issues/

「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画

「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画(2023年4月始期)に則って、社員一人ひとりが仕事と生活との調和を実現し、多様な個性と能力を最大限発揮し、充実感を感じながら働くことを支援してまいります。

「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画[213KB]

多様な働き方を可能とする人事制度

当社では、手掛ける事業の領域や性質の変化、並びに社会における働き手の価値観変化の双方を踏まえ、2018年7月から新たな人事制度の運用を開始しました。新人事制度においては、社員一人ひとりのキャリア志向や価値観、ライフステージに応じた、キャリアパスの複線化を推し進めています。具体的には、専門人財の養成・確保、勤務地を限定した職種の設定、職種の転換制度などを通じてより柔軟で多様な働き方の選択が可能となりました。

また、社員のパフォーマンスの最大化に向けて、自律的キャリア形成をサポートする仕組みも併せて整備しています。社員一人ひとりが自らの価値や可能性に気付き、持てる力と専門性を存分に発揮し、働きやすさだけではなく働き甲斐も両立させながら業務に取り組むことができる制度を整えました。

各種制度

結婚、出産、育児など、ライフステージが変わっても、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できるようにライフイベントとの両立支援策を整備しております。

【制度の詳細】

項目 制度 内容
妊娠中に使用できる制度 つわり休暇 ★ 10労働日。5労働日は有給休暇。
通勤緩和措置 ★ つわり期間中に、1日1時間の時差出退勤が可能。
妊娠中休暇 ★ つわり休暇とは別に毎月1労働日の有給休暇。
出産・育児休職関連制度 産前産後休暇 ★ 産前8週間産後8週間。産前産後各6週間は有給。
※法定では、出産予定日6週前より取得可能
配偶者出産休暇 ☆ 配偶者が分娩するとき3労働日取得可。(有給)
配偶者出産時の一時帰国制度 ☆ 海外勤務中に配偶者が日本での出産をする場合、滞在15日間までの一時帰国費用の補助。
育児休職 ★ 満2歳の誕生日の前日まで。
※法定では、原則満1歳まで取得可能
産後復職支援プログラム講座 ☆ 「産後ケア教室」の費用補助や「産前・産後オンラインセルフケア教室」のサービスを提供。
復職後のサポート 企業主導型保育園との連携 ☆ ten社が運営する企業主導型保育園への優先的入園。
育児休職復職支援補助 ☆ 認可外保育所利用の復職社員に翌3月末まで、一家族一子あたり月額20,000円を支給。
ほ育時間 満1歳未満の子どもを保育する場合、育児時間として有給の60分/日を付与。
子の看護休暇 小学校就学の始期に達するまで。
時間外労働の制限 小学6年生以下の子を養育する者は、希望により時間外勤務を20時間/月、もしくは44時間/月・390時間/年に制限可能。
深夜残業の制限 未就学児養育中は、希望により深夜残業(午後10時~午前5時)を免除可能。
時間外労働免除 満3歳に達しない子を養育している場合、希望により時間外勤務を免除可能。
育児短時間勤務 ★ 小学校6年生以下の子を養育する者は1日の勤務時間を6時間に短縮可能。
病児保育(ベビーシッター) ☆ ベビーシッター派遣型の病児保育を法人会員価格で利用可。また、利用額の一部を補助。
リロクラブチケット700 ☆ 未就学児のベビーシッター費用・託児施設利用費用に700円/時間を補助。
内閣府ベビーシッター派遣事業割引券 ☆ 児童1人につき1回2,200円の割引利用が可能。
ワークスタイルに関する制度 フレックスタイム制度 ☆ 始業/終業時間は午前5時から午後10時の間
テレワーク制度 ☆ 原則、月10日以内で利用可能。
配偶者の国外転勤に伴う退職者の再雇い入れ制度 ☆ 配偶者の海外赴任帯同のため退職後、4年以内であれば再雇用の機会を提供
ボランティア休暇 ☆ 対象となるボランティア活動に対し、5労働日取得可能。
介護休職制度 ★ 同一の被介護者につき2年間を限度として取得可
介護時短勤務制度 ☆ 対象となる従業員は、1日の勤務時間を6時間に短縮可能。
女性の健康課題に関する制度 婦人科健診 乳がん、子宮がん、骨密度検査を、自己負担なしで受診可能
生理休暇 ★ 月1日は有給。
出生支援休暇 ☆ 不妊治療の為の休暇に、過去3年間の失効年休を充当可能。
女性の健康課題に関する研修 ☆ 女性の健康課題に関する講義や外部講師による健康セミナーによるヘルスリテラシーの向上

★法定を上回る制度 ☆当社独自の制度

※育児休職中は無給となりますが、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。

【仕事と育児の両立支援に関する各種制度】

出産・育児に関する制度図
その他 女性の健康課題に関する制度
  • 婦人科検診(乳がん、子宮がん、骨密度検査):自己負担なしで受診することが可能です。
  • 生理休暇:生理日の就業が困難な場合、取得することが可能です。
  • 女性の健康課題に関する研修:階層別研修において、医務室 保健師より女性の健康課題に関する講義を実施したり、外部講師による健康セミナーを開催し、ヘルスリテラシーの向上を図っております。

制度利用状況

サステナビリティデータ集

その他取り組み

女性社員のさらなる活躍を推進していくために、育児支援を中心とした制度の充実を図るだけでなく、キャリア形成のための支援拡充、モチベーション向上のためのセミナーや研修を実施しています。

2017年よりグループの女性社員を対象に、「MOLグループ D&I HOTダイアローグ」を開催しております。講義、パネルディスカッション、対話などを通じて、ライフステージに合わせたキャリアを形成するにあたって必要なことについて、男女問わず参加者自身が考え、気づきを得る機会としています。2022年度には、国際女性デーにあわせ、マツダ株式会社と共同で「Wダイアローグ」を開催し、両社およびグループ会社から約430名が参加しました。次世代に向けた多様な人財が活躍できる組織を目指す各社にとって、会社や業界を超えてロールモデルを共有する大変貴重な機会となりました。また、イベント後には、商船三井グループ各社からの参加者を集め対話会を開催し、ダイバーシティについてのそれぞれの考えを共有する機会となりました。

ダイバーシティ推進講座・研修

  • 階層別研修にて以下研修を実施しています。
    「多様な人財と活躍と経営成果との繋がり/多様な人財が活躍できる職場の重要性・意義への理解を促す研修」
    「多様な属性の社員への理解、円滑なコミュニケーションの取り方に関しての研修」
    「育児・介護に関する社内制度の理解を促す研修」
    「多様な属性の社員の評価・育成に関する研修」
    「アンコンシャスバイアス研修」
    「人権・LGBTの理解促進」
  • 社外の女性活躍支援研修に女性社員を派遣

また、ダイバーシティ推進講座・研修他、その他の研修(管理職育成研修等)についても男女問わず、実施しております。


シニア人財の活躍

シニア人財の継続雇用

当社では、当社の持続的な成長を、豊富な知見・経験と働く意欲を持つシニア人財とともに実現すべく、定年後の嘱託再雇用制度を導入しています。


アスリート社員採用

多様な社員が活躍する環境整備に向けて

人事部
キャリア・ウェルネス
推進チーム
倉橋 香衣

当社は2016年に初めて「アスリート採用」を実施し、車いすラグビー選手の倉橋香衣を採用し、勤務と競技活動を両立しています。

日本選手権、世界選手権を始めとする国内外の大会に参加し、日本代表としても目覚ましい活躍をみせる倉橋を、One MOLとしてグループ役職員で応援しています。当社では、多様な人材が自らの能力を最大限発揮し、働き甲斐をもって活躍できる環境を整備することで、活力あるイノベーティブな組織を目指し、ダイバーシティ推進に取り組んでいます。車いすラグビーは「障がいの程度に応じて各々が能力を発揮し、役割を果たすことでチーム力を最大限に引き出すことができるスポーツ」であり、まさにダイバーシティを体現した競技です。

当社は倉橋が所属するクラブチーム「AXE」とも連携をしながら、車いすラグビー連盟のオフィシャルパートナー、世界大会である「車いすラグビーワールドチャレンジ」に協賛なども通じて、継続的にこの車いすラグビーという競技を応援し、今後も多様な社員が社内外で活躍できる環境を整備していきます。

車いすラグビーとは?
車いすラグビーは、1977年にカナダで考案され、四肢に障がいのある車いすの選手が出場する団体競技で、パラリンピック競技の中で唯一、車いす同士のぶつかり合いが認められています。
競技には、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、アイスホッケー等の要素が組み合わせられており、バスケットコートと同じ広さのコートで行われます。選手は障がいの程度によって0.5点~3.5点までの持ち点が与えられ、コート上でプレーする4人の選手の合計が8.0点以内になるように組み合わせを調整します。使用する車いすは、激しいぶつかり合いができる耐久性があり、ポジションに応じた役割が果たせるよう改良されています。


障がい者雇用

障がい者が地域社会の一員として生活できることを目指して

当社は2021年4月より、埼玉県越谷市において「わーくはぴねす農園 さいたま越谷ファーム」(※)の一部を借り受け、自社農園「MOL RAISE」(エム・オー・エル レイズ)を運営しています。収穫した野菜は、本社の社員食堂の昼食メニューに提供し、社員の健康保持増進に役立てています。

屋内農園での野菜栽培は、自然と触れ合いながら、障がい者一人ひとりが持てる力を充分に発揮して取り組める職場の一つと考えます。「MOL RAISE」で働くことにより、社会参加への一歩が踏み出され、地域社会の一員として継続して生活できることに貢献したいと考えます。

※障害者雇用を支援する「(株)エスプールプラス」(本社・東京)が埼玉県越谷市に設置した企業向け貸し農園
2022年12月に同第二農園も借受

作業の様子
説明を受ける当社社長(中央)
収穫体験をする当社会長

社員の職場環境の整備

世界中の社員一人ひとりが熱意と活力を最大限に発揮でき、多様な個性と能力を組み合わせることができる職場環境・組織風土づくりを進めております。

2022年度より、「いつでも、つながる、オフィス」をコンセプトに、全社オフィスのリノベーションを実施しています。業務内容に応じデスクやエリアを選択することで生産性を上げること、様々な人とのコミュニケーションを促進し新たなアイデアを生み出すことを期待しています。

3フロア連結、大胆なワークプレイス改革を実施し、全社の安全運航支援体制強化および働き方改革を推進

社員や船員のライフステージ、ライフスタイルの変化に配慮し、一人一人がいきいき・ワクワクと働けるために、キャリア支援の強化、柔軟な働き方の実現、効率的でメリハリのある働き方を推進しています。また、心身ともに健全でいきいきと働くことができるよう、法令や条約を順守するのみならず、健康管理と働きやすい職場づくりの整備、コミュニケーションの活性化に努めています。